top middle bottom menu

日本における診療看護師の現状や海外との比較

これからの医療を支えるキーパーソン

現状や海外との比較

現状や海外との比較

日本における診療看護師(NP)の現状

日本では診療看護師(NP)資格は国家資格ではなく日本NP教育大学院協議会の認定資格として設けられています。そのため、海外のように看護師独自の判断で診察や処方を行うことはできません。日本における診療看護師の定義は「保健師助産師看護師法が定める特定行為を実施することができる看護師」です。日本では医師法により診断・診療・薬の処方などを行えるのは医師または歯科医師のみと決められています。看護師独自の診療などは認められていないので、海外のようにはいかないというのが現状です。
2015年に第1回日本NP学会学術集会が開催され、看護師の裁量権の拡大や海外のようなNP制度の実現を目指し協議を行いました。同年から「特定行為に係る看護師の研修制度」が開始したことを考慮しても、今後日本においても診療看護師の需要が高まり、公的な資格制度が実現される日も近いといえるでしょう。

アメリカをはじめとした海外のNP事情

NP(Nurse Practitioner)はアメリカ発祥の資格です。現在はアメリカだけでなく、あらゆる国がNP制度を導入しています。NP制度を設けている国のほとんどは、一次医療における看護師の診察や投薬を認めています。NP制度が発足したのは1960年代で、アメリカにおいては州単位で認定されている公的な資格です。NP制度を導入しているほとんどの国において、NPは医師と看護師の中間に立つ役割を担っています。この点は日本における診療看護師と同じです。しかし、それに加えて看護師の上位職として位置付けられており、日本では禁止されている診断や処方が可能となっています。
アメリカでNP資格が誕生したきっかけは、医師不足や医療費負担などの問題です。看護師に専門的な教育を施し、一次診療を可能とすることで現場の負担を軽減する目的で設立されました。NP制度の有効性はすぐに認められ、アメリカ全土に広まりました。1988年にはアメリカ全州でNPの診療行為に対する診療報酬が認められるようになり、現在では20万人近くの看護師が資格を取得しています。
NP制度を導入している主な国はアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・イスラエル・タイなどです。これらの国以外でも採用されており、日本においても海外のNP制度の内容に沿った公的な資格の設立が急がれています。なお、海外のNPとして活躍したい場合には、日本ではなく海外のNP資格を取得する必要があります。資格を取得すれば、日本人でも海外でNPとして働くことができます。

診療看護師を目指すなら!